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2026/03/24

副業者向け

【2026年税制改正対応】副業の減価償却とは?10万・20万・40万円の基準と中古資産・家事按分まで解説

【2026年税制改正対応】副業の減価償却とは?

副業でパソコンやカメラなどの高額な機材を購入したとき、「この費用は経費にできるのかな?」と悩む人は多いでしょう。そこで知っておきたいのが「減価償却」という会計ルールです。高額な資産は、購入した年に全額を経費にするのではなく、数年に分けて計上するケースがあります。さらに、その処理方法は金額によって異なり、特に「 10 万円」「 20 万円」「 40 万円」という 3 つのラインが重要な判断基準になります。

この記事では、副業初心者の方でも理解しやすいように、減価償却の基本から金額ごとの経費処理ルール、家事按分、中古資産の耐用年数までをわかりやすく解説します。

減価償却とは?初心者向けの基礎知識

減価償却とは?初心者向けの基礎知識

減価償却とは、高額な設備や機器などの購入費用を、数年に分けて経費にするルールのことです。業務に使用する建物、パソコン、車などは、時の経過とともに価値が少しずつ下がっていきます。そのため、購入した年に全額を経費にするのではなく、使用する期間に分けて経費として処理します。これを減価償却といいます。

なぜ購入費用を一度に経費にできないのか?

なぜ購入したときに全額を経費にできないのでしょうか。理由は、利益を正しく計算し、経営の実態を正確に把握するためです。例えば、 20 万円のパソコンを購入して 4 年間使うとします。もし購入した年に 20 万円すべてを経費にしてしまうと、 1 年目は費用が大きくなり利益が少なく見えますが、 2 年目以降は費用が発生しないため利益が多く見えてしまいます。これでは実際の経営状況と合わなくなってしまいます。

実際には、そのパソコンは 4 年間にわたって仕事に役立ち、売上を生み出すために使われています。そのため税務や会計のルールでは、資産ごとに定められた「法定耐用年数」に合わせて、費用を少しずつ分けて計上することになっています。こうすることで、売上と費用のバランスが取れ、より実態に近い利益を計算できます。

減価償却費の計算方法

減価償却を行う期間は、資産の種類・構造・用途ごとに、税法で細かく定められた「法定耐用年数」に従って計算をします。自分の購入した資産が何年に該当するかを確認するには、国税庁が提供している「耐用年数表」をチェックするのが最も確実です。

参考:主な減価償却資産の耐用年数表(国税庁)

耐用年数が決まると、次は毎年いくら経費にするかを考えます。個人事業主は、毎年同じ金額を経費にする「定額法」で計算するのが基本です。このときに使うのが「償却率」で、耐用年数ごとにあらかじめ決められています。

主な資産 法定耐用年数 償却率(定額法)
パソコン(サーバー以外) 4 年 0.250
カメラ・デジタルカメラ 5 年 0.200
自動車(普通車・新車) 6 年 0.167
ソフトウェア(複写・販売用以外) 5 年 0.200
事務机・椅子(金属製) 15 年 0.067
応接セット(接客用) 5 年 0.200

年間の経費にする金額は下記の計算式で求めます。

取得価額(購入金額)× 償却率

たとえば、 50 万円のカメラを購入した場合、 50 万円 × 0.200 で、年間 4 万円を経費として計上できます。

減価償却の対象になる資産・ならない資産

すべての資産が減価償却の対象になるわけではありません。ポイントは時間が経つと価値が減るかどうかです。

種類 具体例 備考
減価償却資産 パソコン、デスク、車、ソフトウェア 時間の経過で劣化・陳腐化するもの
非減価償却資産 土地、借地権、骨とう品、美術品 時間が経っても価値が減らないもの

副業でよく使われるパソコンやカメラ、動画編集ソフトなどは、基本的にはすべて「減価償却資産」に該当します。一方で、 1 点 100 万円以上の美術品などは価値が減らないとされるため、減価償却はできません。

金額で変わる経費処理 10 万・ 20 万・ 40 万の判断基準

金額で変わる経費処理 10 万・ 20 万・ 40 万の判断基準

副業の経費において重要なのが「いくらで買ったか」という判定基準です。購入した資産の金額によって、その年に全額を経費にできるのか、それとも減価償却が必要になるのかが決まります。減価償却の判断では、主に 10 万円、 20 万円、 40 万円という金額がひとつの目安になります。

10 万円未満は消耗品費として全額経費

取得価額が 10 万円未満のもの、または使用可能期間が 1 年未満のものは、減価償却をする必要がありません。購入したその年の「消耗品費」などの勘定科目で全額を一括経費として計上できます。少額の周辺機器やキーボードなどは、この枠に収まることが多いでしょう。

20 万円未満なら一括償却資産が便利

10 万円以上 20 万円未満の資産を購入した場合、通常の減価償却のほかに「一括償却資産」という選択肢があります。これは、法定耐用年数に関わらず「 3 年間で 3 分の 1 ずつ均等に経費にする」方法です。

例えば、 15 万円のパソコンを購入した場合の計算は以下のようになります。

150,000 ÷ 3 = 50,000

毎年 5 万円ずつを 3 年間にわたって経費にします。この方法のメリットは、パソコンの本来の法定耐用年数である 4 年よりも短い 3 年で費用化できる点と、月の途中で買っても「月割計算」が不要で管理が非常に楽な点です。これは白色申告の方でも利用可能です。

青色申告なら 40 万円未満を即時経費にできる「少額減価償却資産の特例」

もしあなたが青色申告を選択している個人事業主(事業所得)であれば、「少額減価償却資産の特例」を使うことができます。

令和 8 年度( 2026 年度)の税制改正により、この制度の対象となる金額が拡大されました。これまで「 30 万円未満」だった基準が、 2026 年 4 月 1 日以降に取得した資産については「 40 万円未満」へ引き上げられています。

40 万円未満の設備や機器などであれば、購入した年に全額を経費として計上できます。 25 万円のハイスペック PC を買っても、その年に一気に 25 万円を経費にできるため、利益が出ている年の節税対策として非常に有効です。ただし、この特例には年間合計 300 万円までという上限があります。また、副業が「雑所得」に分類される場合はこの特例が使えないため、所得区分の判定が前提となります。

【副業特有の実務】家事按分と中古資産の活用

【副業特有の実務】家事按分と中古資産の活用

副業ならではの実務として、避けて通れないのがプライベートとの境界線と中古品の賢い活用です。これらを正しく理解していないと、経費を少なく見積もりすぎて損をしたり、逆に多すぎて税務署から指摘を受けたりするリスクがあります。

プライベートとの境界線を決める家事按分

副業をしている会社員がよく悩むのが、「プライベートでも使っている機材をどこまで経費にできるのか」という問題です。自宅のパソコンやスマートフォンなどは、仕事と私用が混ざりやすいため、購入費用の全額を経費にはできません。その場合は、事業で使っている割合を計算して経費にする「家事按分(かじあんぶん)」という考え方を使います。

家事按分では、第三者が見ても納得できるような合理的な基準で割合を決める必要があります。例えば、次のような方法が一般的です。

  • 使用時間で分ける: 1 日 10 時間パソコンを使い、内 2 時間が副業なら 20 %が事業割合
  • 使用日数で分ける: 1 カ月のうち 8 日間副業で稼働したなら 25 %が事業割合

例えば 45 万円の高スペック PC を購入し、法定耐用年数が 4 年(償却率 0.250 )、事業割合が 20 %の場合、

取得価額 450,000 × 償却率 0.250 = 112,500

112,500 × 事業割合 20 % = 1 年で経費にできる金額 22,500

事業割合を含めて計算した結果、経費にできるのは 22,500 円です。このように、家事按分を正しく適用することで、副業に必要な支出を正しく経費とすることができ賢く節税に繋げられます。

中古機材を買った時の耐用年数計算

コストを抑えるために中古の型落ち機材を買う場合、新品よりも短い期間で経費にでき節税につながるというメリットがあります。中古品を購入した場合の法定耐用年数の計算方法は下記の 2 つです。

1 .法定耐用年数の全部を経過した中古品の場合

法定耐用年数 × 20 % = 中古の耐用年数(端数切り捨て、最低 2 年)

法定耐用年数 4 年のパソコンを、 4 年以上経過した中古で買った場合、 4 年 × 20 % = 0.8 となりますが、最低 2 年というルールがあるため、 2 年間で償却することになります。

2 .法定耐用年数の一部を経過した中古品の場合

法定耐用年数 – 経過年数 + ( 経過年数 × 20 % )

= 中古の耐用年数(端数切り捨て、最低 2 年)

法定耐用年数が 6 年の中古カメラを購入し、すでに 3 年使用されていたとします。

6 年 − 3 年 +( 3 年 × 20 % ) = 3.6 年

となりますが、端数を切り捨てるため、この場合の中古資産の耐用年数は 3 年です。

このように、中古資産は新品よりも耐用年数が短く設定されるため、減価償却の期間も短くなり、比較的早く経費化できるのが特徴です。

減価償却をラクにするクラウド会計の活用

減価償却をラクにするクラウド会計の活用

これまで解説してきた減価償却の計算を、手書きやエクセルで行うのは非常に手間がかかります。本業と副業を両立させながら、事務作業を最小限に抑えることが継続のコツです。

複雑な計算を自動化するメリット

クラウド会計ソフトを活用すれば、購入した機材の金額と法定耐用年数を入力するだけで、毎年の減価償却費を自動計算してくれます。さらに、銀行口座やクレジットカードとの連携機能を使えば、機材購入のデータも自動で取り込まれるため、入力ミスを防ぐことができます。

青色申告決算書の作成もスムーズに

青色申告で減価償却を行う場合、決算書の中に「減価償却費の計算」という専用のページを記載しなければなりません。ソフトを使えば、日々の記帳データからこのページも自動生成されるため、確定申告時期の負担を大幅に軽減できます。

減価償却のマスターが事業家への第一歩

減価償却は、副業を長く続けていくための「財務リテラシー」そのものです。単に税金を安くするだけでなく、将来の買い替え資金を考えたり、最新の税制改正を活かして投資のタイミングを最適化したりといった、経営者視点の思考が身につきます。

令和 8 年度の改正では、少額減価償却資産の基準が 40 万円へと拡大され、副業を後押しする環境がさらに整います。今のうちから正しい知識を持って機材投資を行うことが、事業家への第一歩となります。

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