SkillCraftブログ
2025/09/24
本業は教育ベンチャーで一人エンジニア———副業の開発チームで感じたリアルな学び
副業を始める理由は人それぞれですが、収入だけでなく「スキルアップ」や「新たな挑戦」を求めて一歩踏みだす副業者も多くいます。
「SkillCraft」は、そんな副業者と企業をつなぎ、安心して挑戦できる環境を提供するマッチング&タレントマネジメントプラットフォームです。
今回は、本業は教育ベンチャー企業にて開発業務を一人で担いながら、副業ではリーダーとして他の副業者と共に開発プロジェクトに取り組むT.Nさんにインタビューを行いました。
成長の機会を求めて副業を始め、実際に感じた難しさや学びについて、T.Nさんの経験した2年間の副業でのリアルな経験についてお聞きしました。
T.Nさんのプロフィール
本業:教育ベンチャー企業にて、一人でフロントからバックエンドまでを担うエンジニア
副業:チャットボットなどのシステム開発、3〜4人の開発チームのリーダー
副業を始めた理由——エンジニアとしての成長機会を求めて
——現在の本業について教えてください。
教育ベンチャーの会社でエンジニアとして働いています。塾の先生が使うシステムを開発しているのですが、開発は基本私一人でフロントからバックエンドまですべて担っています。また、子どもたちにもエンジニアスキルを教えています。
以前は別の会社で製品デバイス内のシステムやアプリケーション開発のエンジニアをしていたのですが、いろいろと思うところもあり、今の会社に3年ほど前に転職しました。
——副業を始めた時期ときっかけは?
副業を始めたのは2年前で、動機は副収入がほしいというよりも成長の機会がほしいということでした。
本業では基本的に一人で開発を担当しており、コードレビューを受ける機会もほとんどなかったため、エンジニアとしてスキルを磨く環境に物足りなさや不安を感じていました。
——副業ではどのような案件に携わっているのでしょうか。
現在の契約先企業とは、2年前から継続的にお取引があり、これまでに複数の案件に携わってきました。現在は、チャットボットを中心としたシステムの開発を担当しており、3〜4人の開発チームにおいてリーダーとしてプロジェクトの推進とメンバーの評価を行っています。
本業では得られなかった「AI活用」「チーム運営」のノウハウを副業で経験
——副業をする中で、スキルアップを感じられる部分はありますか?
本業と副業では同じフレームワークを使用しているので、これまでのエンジニアスキルをそのまま活かせています。ただ、現在の副業案件ではチャットボットのシステムを構築するためにAIを活用する場面が多く、本業ではあまり経験したことがありませんでした。AIの活用は今後も広がっていくと思うので、将来を見据えても良い経験になっています。
エンジニアスキル以外の点では、本業とは異なる環境で仕事をし、いろいろな人と関わることによって人間的な成長があると思います。
副業のチームは、私を含め全員副業者で構成されているため、稼働時間のズレや信頼関係の構築、コミュニケーションの難しさなどを感じることがあります。そのような中で、チームリーダーとしてメンバーの評価や報酬決定も担っているため、責任を持って評価を報酬に反映するように努めています。
——継続的に本業・副業を両立する上で、時間の使い方はどのようにされていますか?
月40時間の契約のため、週に10時間は確保するようにしています。基本的に平日の夜に毎日2時間ほど稼働していますが、平日に時間が取れなかったときは休日にリカバリーしたり、翌週の平日に多く稼働するようにしています。
今後についても、現状以上に副業の稼働時間を増やす予定はなく、今のペースで続けていければと考えています。
副業における評価制度の大切さとSkillCraft
——SkillCraftには人事レビュー、組織レビューの仕組みがあります。実際に活用してみて、評価や報酬の透明性はどうですか?
私は現在、評価する側・される側の両方の立場で活用していますが、評価される側としては、しっかりと仕事に取り組んでいればSkillCraftで透明性のある評価がされるため、納得した報酬がいただけると感じています。
副業を始めた動機として、収入面が第一の目的ではなかったものの、継続するモチベーションにつながっています。
本業もベンチャー企業なので、評価や報酬に対する姿勢は比較的シビアです。とはいえ、副業のようにすぐに契約を切られるような厳しさはありません。副業は中途半端な姿勢でやっていると契約解除や報酬ダウンも発生するので、本業とは違う緊張感が生まれます。
他の副業サービスでは、副業者が毎月「月報」を提出する仕組みがあると聞いたことがありますが、実際にはかなりの負担になりそうだと感じます。その点、SkillCraftの評価・報酬の仕組みは良いと思います。
——評価する側としては、どのようなところが使いやすいですか?
評価者としては、SkillCraftで副業メンバーの管理ができるのは良いと感じます。
副業に取り組む理由は人それぞれだと思いますが、「お小遣い稼ぎ」のような軽い感覚で取り組む人も見受けられます。そうしたスタンスは伝わってきますし、実際に長続きしないケースが多いです。
SkillCraftのレビュー機能では、ログが残るためレビュー対象者が以前どのような評価を受けていたのかを確認できます。そこで「リスクあり」の評価や、コメント(*)に「会議のドタキャンが多い」など書かれていると、事前にリスクを察知できるので良いですね。
(*)SkillCraftの非公開コメント機能:レビュイー(評価対象者)には非公開のコメントを残すことができ、権限を持つユーザーのみに公開される。
副業でチームをうまく機能させるために必要な「信頼構築」
——副業チームのリーダーも経験されたT.Nさんから見て、企業と副業者はどうすればうまく協働できると思いますか?
信頼関係をいかに構築できるかが重要な課題だと感じています。
副業では、本業のようにプライベートの会話や雑談をしたり、一緒にランチに行ったりといった機会もなく、リモートの場合は顔を合わせることもないのが一般的です。本業と同じような関わり方を求めているわけではありませんが、こうした制約の中でどう信頼関係を築けるかが課題です。
エンジニアの中には、あまりコミュニケーションを得意としない人もいますし、エンジニアならではの独自のスタイルを持っている場合もあります。私はできるだけそういう閉じたコミュニケーションはしたくないですね。
コミュニケーションの場をしっかり設けながら、チームとして機能する必要があると思います。
これから副業にチャレンジされる方へのアドバイス
——副業をこれから始めようと考えている人に、何かアドバイスはありますか?
まずは始めてみることが大切だと思います。私も始める前は「フリーランスで活躍できるエンジニア=スキルが高い人」というイメージがありました。そのため自分にできるのか不安を感じていましたが、以前の職場の同僚から「副業を始めた」と聞き、それならば自分にもできるのではと思い、チャレンジしてみることにしました。
案件にもよると思いますが、実際に副業を始めてみると、スキルや報酬の相場感がつかめるようになり、自分の市場価値を知る手がかりにもなります。個人的な印象としては、エンジニアの副業者は比較的若く、スキルもそこまで高くない人が多いと感じました。そのような中で、自分でも十分やっていけるという手応えを得られました。
——T.Nさん自身が今後副業を通してスキルアップをしたいことはありますか?
どちらかというと、バックエンドをメインにやっていきたいと思っています。サーバーレスの環境構築はあまり経験がないので、機会があれば挑戦したいですね。
——エンジニアにとって、副業はスキルアップのチャンスでしょうか。
副業を通してエンジニアとしてのスキルアップを図りたい人は、これまで経験のない領域の案件や、新たな技術の習得が必要になりそうな案件にも積極的にトライすることが大切だと思います。エンジニアは、ずっと同じようなことを続けているだけではなかなか成長しにくいため、本業では扱わない分野や、興味がある開発案件に挑戦することで、スキルの幅が広がる良い機会になると思います。
まとめ:副業は視野を広げるチャンスであり、成長の場でもある
副業を通じてエンジニアとしてのスキルアップが図れただけでなく、普段と異なる環境で人間関係やチーム運営を経験したことで、自分自身を客観的に見つめなおす機会になったと話すT.Nさん。
スキルを活かしながらも新たな挑戦に臆せず飛び込み副業を継続していくことで、エンジニアとして、そして一人のビジネスパーソンとしての視野を広げ、成長を促す貴重な経験となるでしょう。
副業の継続には、副業者一人ひとりが責任を持って業務に取り組むことは大前提です。その上で、継続しやすい仕組みをどのように整えるかは、副業者を採用する企業側にとっての課題でもあります。
「SkillCraft」では、副業者の募集から採用、チーム参画後の評価システムまで、副業者と企業が協働する上で必要なプロセスを一層効率化する機能の順次追加を予定しています。
双方が納得して協働できる環境をぜひ活用してみてください。